ハートコア株式会社は2009年に設立され、コンテンツ管理システム(CMS)などデジタルトランスフォーメーションを支えるソリューションの開発、提供を行ってきました。2020年には、PC、モバイル機器、VRヘッドセットで視聴可能な3D VR(仮想現実)体験へと事業を拡大し、コロナ禍を機に高まった新たなニーズに対応しました。
ハートコア株式会社 代表取締役社長の神野純孝氏は次のように述べています。「店舗やオフィスが閉鎖され、人々がステイホームするようになるとECは飛躍的に拡大しました。しかし、多くの企業のECサイトはオンラインでの顧客体験を改善する必要がありました。このような環境下、当社には、より魅力的なデジタル化の実現に向けてお客様を支援する機会が生まれました。」
VRに参入するにあたり、ハートコアは、Matterport社とパートナーシップを築きました。これにより、Matterport SDKとAPIを利用して、Matterportのデジタルツインに統合できる新たな機能を開発できるようになりました。ハートコアでは、3Dレプリカを用いて仮想ツアー、ECソリューション、エンターテインメント体験、研修プログラムなどを制作しています。これらは顧客の目的に合わせてカスタマイズした技術を組み合わせることで構築されています。また、必要に応じて、Matterport Pro2 3DカメラやRicoh Theta 360カメラを駆使して、顧客のオフィスのデジタルツインを高解像度かつ高品質で撮影する支援も行っています。
没入感のあるオープンキャンパス体験を実現
東京工科大学では、毎年恒例のオープンキャンパスイベントが対面式で開催できなかったことからハートコアが支援しました。ハートコアはMatterportの開発ツールを使って、片柳研究所のビルを含む、大学の広大なキャンパス施設を巡るオンラインバーチャルツアーを制作しました。このツアーでは、12階のロボコンルームに置かれた競技用ロボットにズームインできるほか、VRに組み込まれた動画を通じて、ロボット競技に参加する学生の様子を視聴できます。
緑豊かなセントラルプラザ(蒲田)をはじめ、先端機器を備えた医学・工学系の研修スペースや、学生がリラックスして食事、交流、研究できるスペースなど、訪問者は八王子キャンパスと蒲田キャンパス全体の数十の部屋や空間を見て回ることができます。3Dを含むリッチなコンテンツにより、入学希望者や地域の人々が大学の施設や設備への理解を深められるほか、普段は見ることのできない場所も見学することができます。
ハートコアでは、Matterportのデジタルツインの標準機能を超えて、同大学の公式キャラクター「こうかとん」を登場させ、キャンパスの主なエリアの紹介やナビゲーションツールの説明を行うガイド役としました。加えて、主要な目的地のリストからキャンパスの別のエリアに素早く移動できるドアアイコンや、ツアーの右上隅に埋め込まれた便利なマップを開くマップアイコンなどのユーザーインターフェースも追加しました。また、Mattertagsという文字や画像を付箋のように付加できる機能を使って見どころをハイライトしたり、追加情報、写真、動画の埋め込みを行いました。
「Matterportテクノロジーを駆使した結果として魅力的な空間を作り出すことができました。この仮想オープンキャンパスイベントには2万人以上のオンライン訪問者が訪れ、人々が直接訪問できない時期に大きな成功を収めることができました。」と神野氏は語っています。
デジタルツインの強化
三菱商事太陽株式会社と同社が運営する障がいのある人もない人も共に働くための情報ポータル「トモニー」に対して、ハートコアはどなたにとってもアクセシブルなユニバーサルオフィスと、障がい者雇用の歴史について学ぶことができる太陽ミュージアムのバーチャルツアーを開発しました。ハートコアは、マスコットキャラクターによるナビゲーション情報に加え、色分けされたMattertagsでハイライトされたテキスト、画像、動画を含むツアー機能を追加で開発しました。
東芝情報システム株式会社に向けて、ハートコアは同社のシステムインテグレーションソリューションを紹介するオンラインVR展示会を制作しました。ここには動画の埋め込みやダウンロード可能なパンフレットを掲載したほか、新規案件の獲得を目的とした問い合わせフォームも追加しました。
東京都港区と小平市は、新型コロナウイルスの集団ワクチン接種ができる医療施設を開設したいと考え、円滑運用のためにハートコアのバーチャルツアーを計画に含めることにしました。事前に配布された広報資料には7つのワクチン接種会場のデジタルツインにリンクされたQRコードが掲載されました。このサイトツアーは、スタッフとワクチン接種者が事前に会場を把握することで人流を円滑にできるよう自動再生に設定されました。「このバーチャルツアーによって、ワクチンを受けに行くことへの不安が軽減され、実際のワクチン会場での体験がスムーズで快適なものになったと思います。」と神野氏は述べています。
ハートコアは、プラモデルやトイホビーのメーカーである株式会社 青島文化教材社と協力して、毎年恒例の静岡ホビーショーの会場での入場が厳しく制限されため、オンラインのバーチャルコンテンツを制作しました。ハートコアは、青島のブースのデジタルツインを撮影し、Matterportの開発ツールを使って、そのブース全体に配置されたモニターの画面にビデオと画像を埋め込むことでオンラインVRコンテンツを実現しました。「デジタルツインを導入すると、青島のウェブサイトへのアクセスが1万人を突破し、オンラインイベントの来場者数は現地のブース訪問者数の3倍に上りました。」と神野氏は語っています。
ハートコアは、18,000平方メートルの広大な店舗を持つ家具・インテリア専門店、株式会社村内ファニチャーアクセスと協力して、ECサイトと統合したバーチャル3Dツアーを開発しました。買い物客が商品のブランドや素材、産地などの詳細情報を簡単に確認できるようにしました。
また、ハートコアは、自社オフィスのデジタルツインも制作しています。入館すると自動的に再生される音声案内、ツアーガイドキャラクターの音声ガイダンス、探索を楽しくする宝探しゲームなどを重ね合せました。
このほかにもハートコアは、早稲田大学実行委員会によるVRファッションショーを支援し、メディアにも取り上げられました。
神野氏は次のように述べています。「当社のVR360サービスを始めるにあたって10種類以上の候補を検討しましたが、Matterportがあらゆる側面においてベストだったと判断しました。パートナーとして、今後もMatterportのデジタルツインをベースにした新しいVRやAR(拡張現実)体験を開発していくことを楽しみにしています。」
Matterportプラットフォームパートナーであるハートコアは、Matterport APIとSDKを活用し、市場をリードするMatterportの空間データプラットフォームに統合されるアプリケーションの構築と商品化に取り組んでいます。プラットフォームパートナーであるハートコアはMatterportの販売ネットワークや特別サポート、共同マーケティングや共同販売プログラムなど、アプリケーションの収益化を支援するさまざまな商業的メリットを享受することができます。プラットフォームパートナープログラムの詳細と参加申し込みについては、https://matterport.com/platform-partner-programをご覧ください。
ハートコアについて
ハートコアは、コンテンツ管理システム、顧客体験管理、人工知能、データベース、ビジネスインテリジェンスなどのテクノロジーソリューションとサービスを専門とする、デジタルトランスフォーメーションのエキスパートです。そのデジタルマーケティングソリューションにはMatterportベースの3D仮想現実体験が組み込まれ、オフィス、工場、美術館のバーチャルツアーに加え、学校のオープンキャンパス、フェス、ファッションショー、展示会、企業研修、小売店などを幅広くカバーしています。
本社
日本、東京
製品
Matterport SDK, Matterport APIs
成果
- ホビーモデルメーカーのバーチャル展示会で現地参加の3倍の集客を達成
- 大学のオンラインオープンキャンパスイベントに2万人を集客
- 家具小売業者のECサイトにデジタルツインを統合することでショッピング体験を向上
- 3D VR体験の上に、宝探し、キャラクターツアー、アンケート、動画、音声/オーディオを組み込むことでエンゲージメントが向上
https://matterport.com/ja/industries/case-studies-18