ニーズに合った船舶の提供
高速旅客フェリー、洗練されたスーパーヨットやシンプルなタグボートに至るまで、Damen Shipyards Groupは、高品質、厳格な仕様に合わせたカスタマイズ能力、優れた顧客サービス、革新性で世界中の政府、港湾局、企業や個人のバイヤーから定評を得ています。また、5大陸に35か所の造船所を持ち、世界のほぼ全域で船舶の整備・修理ができることでも知られています。
Damen Shipyards Groupの顧客は造船所に訪れて進捗を頻繁に確認します。バイヤーが月に2回ほど発注船の確認に現場を訪れることもあれば、政府機関が造船所にチーム全員を派遣し、建造期間を通じて現地に滞在することもあります。
また、世界各地で働く同社の設計者やエンジニアは、会社のオフィス、造船所や本社を日常的に行き来しながらプロジェクトで協業しています。
短期的な課題に長期的な能力で対応
コロナ禍の発生に伴い世界的に渡航制限が課せられた際、Damen Shipyards Groupでは、顧客が発注内容の進捗状況を継続的に確認し、従業員が協力して建造を継続できるような方法が必要となりました。2次元の写真やドキュメントでは、どんなに詳細であっても造船所を実際に訪問して発注内容を検査する体験の再現はできないと認識していたことから、同社ワークボート部門のメンバーは、利用できそうな技術を精査することにしました。その際、すぐに可能性として浮上したのがMatterport, Inc.™のデジタルツイン技術でした。
Damen Shipyards Groupのワークボート部門でアシスタントプロジェクトマネージャーを務めるJan-Jaap Eits氏は、「細部まで正確に再現された3Dで船舶を眺めることで、造船所での船舶の確認に次ぐ体験を実現することができます」と説明します。「Matterportのデジタルツインが、短期的にはコロナ禍にまつわる課題を克服するのに役立ち、長期的には全社的な戦略ツールとして活用できることがわかりました。」
Matterportの標準化を決定した後、ワークボート部門は本社と中国、トルコ、ベトナムの主要造船所に同社のPro2 3Dカメラを導入しました。
「直感的に使えるカメラなので、すぐに使い始めることができました」とEits氏は振り返ります。「オンボーディングも簡単で、短いトレーニングビデオを作成して現場のチームに送りました。Matterportの機能を目にしたチームからは『すごい!』という声が上がりました。」
現地にいるような臨場感を実現するために
Matterportの機能に魅入られた同部門は、社内や顧客向けにその機能を活用することで得られるメリットを探し始めました。例えば、プロジェクト初期に船舶のデジタルツインを顧客に送信すれば、設計のあらゆる面でその期待を満たすものかどうかを着工前に確認することができます。
デジタルツインを活用すれば、船内のすべての区画を歩き、機器の配置やレイアウトを検討し、必要であれば修正を依頼することができます。設計が確定すれば、デジタルツインを社内で共有してプロモーションを行ったり、配属されたクルーに船のレイアウトや機能を事前に理解してもらうのに役立てることができます。
最近のいくつかのプロジェクトでは、本社のプロジェクトマネージャーが船舶の設計図を完成させた段階で、そのデジタルツインを設計・エンジニアリングチームに配布して意見を求めるようになっています。デジタルツインの測定モード機能により、部屋のレイアウト、窓、ドア、什器や機器などの配置をダブルチェックし、フィードバックや改善の提案を容易に行えるようになりました。
また、Damen Shipyards Groupでは、Matterportのソリューション導入以降、顧客に納入したすべてのプロジェクトの3DアーカイブをMatterportで構築しています。こうしたアーカイブは船舶の定期的なオーバーホールや機器のアップグレードの際に特に有効で、建造船一つ一つに完全なデジタル記録があれば、長年勤務した従業員が定年退職または退社する際にも、知識の引き継ぎを円滑に行うことができます。
「Matterportの技術の活用事例やメリットにはさまざまなものがありますが、中でも特に重要なのは、従業員や顧客が造船所へ移動する必要がほぼなくなることです」とEits氏は語ります。
さらに柔軟な顧客対応の実現に向けて
同氏は、将来的には造船所での船舶の修理中に顧客がMatterportにアクセスして作業内容を検査し、完了の承認ができるようになると予測しています。また、顧客の船舶が海上で故障した場合には、Damen Shipyards Groupのサポートチームがデジタルツインで故障箇所を特定し、推定される原因を突き止め、リアルタイムで顧客の修理を支援できるようにもなると考えています。
さらに、Damen Shipyards Groupの営業・マーケティング部門では、Matterportデジタルツインを顧客獲得のためのツールとして活用する可能性を見いだし、好意的な反応を示しています。
Matterportの展開を振り返り、同氏はこう語ります。
デジタルツイン技術は、技術革新と顧客サービスにおける当社の評判向上に一役買っています。時間とコストのかかる現地訪問に代わって発見、感動と充実感を再現できる方法をお客様に初めて提供できるようになりました。」
©2022 Matterport, Inc.All rights reserved.MatterportはMatterport, Inc.の登録商標であり、MatterportロゴはMatterport, Inc.の商標です。その他のすべてのマークはそれぞれの所有者に帰属します。
DAMEN SHIPYARDS GROUPについて
1927年設立のDamenは家族経営の造船会社で、世界120か国で事業を展開しています。
本社
オランダ、ホルクム
業界
造船
従業員数
12,000名
課題
建造船の現地確認に代わるデジタル技術の導入
製品
Matterport Pro2 3Dカメラ
解決策
Matterportのデジタルツインを採用することにより、顧客が発注した船舶を3Dモデルで確認でき、世界中で働く設計者やエンジニアがより効率的にコラボレーションできるように
成果
- 造船所への顧客の訪問回数を減らし、時間とコストを削減
- コロナ禍に伴う制限下での事業継続が容易に
- 設計者や開発者のコラボレーションを促進
- 営業・マーケティング部門で販促を目的とした活用
https://matterport.com/ja/industries/case-studies/damen-shipyards