富士フィルムのOpen Innovation Hubでビジネスパートナーシップを構築
1934年、日本の写真フィルムメーカーの先駆けとして創業された富士フイルムは、独自の高度な技術をさまざまな事業分野で活用して進化を遂げ、長年にわたって発明品を医療、ライフサイエンス、化粧品、素材の分野で商品化してきました。 富士フィルムの技術は、毛染めやバイクのシートカバーなどさまざまな用途で利用されています。
富士フィルムのOpen Innovation Hubsは膨大な知的財産の宝庫を有し、ビジネスパートナー、顧客、見込み客との対話を促進する上で重要な役割を担っています。米国、欧州、日本にあるOpen Innovation Hubsでは、自社の最先端技術の体験型展示を行い、対面型ミーティングを主催して事業開発を推進しています。新型コロナウイルスの大流行のために対面式ミーティングを開催できなくなったとき、カリフォルニア州サンタクララにある同社の米国ハブのデジタルマーケター・技術プレゼンター、Matthew Parker氏は別の方法を探しました。
Parker氏は当初、テレビ会議の一環としてハブのツアーを行っていました。空間内をスムーズに移動して富士フィルムの技術と機能に関するハブの展示物を紹介しようと、ジンバル搭載の携帯電話をカートに載せて使っていました。しかし、テレビ会議ソフトウェアでは、ハブ内の展示物の豊かなディテールを完全に撮影することができず、ミーティング主催者は展示物、スライド、主要な講演者の顔のビジュアルを上手く再現できませんでした。
撮影代行サービスで撮影の専門家がデジタルツインをキャプチャー
Matterport Inc.™を見つけた時点では、Parker氏は会社のiPhoneでハブのデジタルツインを撮影していました。すでに持っていた優れたカメラで撮影を完了する上で、モバイル版Matterportアプリ iOSは、素早くシンプルな解決策になりました。以前のビデオ会議のアプローチに比べて大きく進歩したデジタルツインのおかげで、Parker氏はOpen Innovation Hubの3Dバーチャルツアーを素早く作成して、オンラインミーティング中に主催者主導のプレゼンテーションの一部に取り入れたり、顧客用のセルフサービスに提供できるようになりました。
ハブの278平方メートルのスペースと多数の展示物をさらに高いクオリティで撮影するため、Parker氏はMatterport Capture Services On-Demandをオンラインで注文しました。このサービスは、米国の都市から半径56キロ以内のお客様に提供されており、どのような物件でも、プロによるデジタルツインの撮影を迅速、簡単に依頼することができます。
1時間もしないうちに、Parker氏は、高い技術を持つ地元のキャプチャ技術者の予約を取り付けることができました。「数クリックで、撮影代行のMatterport Capture Servicesでスケジュール調整が完了しました。そのキャプチャ技術者が経験豊富なことは明らかで、現場で素晴らしい仕事をしてデジタルツインをすぐに納品してくれました」とParker氏は言います。
Matterport キャプチャー技術者は、Open Innovation Hub内のさまざまな高さで壁面やテーブルに配置されている展示物をすべて3Dスキャンで撮影するため、まずParker氏と戦略について話し合いました。目標は、実際にその場にいるかのような体験を再現することでした。キャプチャー技術者は2時間もしないうちに、Parker氏が依頼した撮影を完了し、24時間以内に納品しました。
富士フィルムにとって、デジタルツインの撮影に専門家を雇うことは合理的でした。理由は、世界各地のOpen Innovation Hubsをスキャンする前にテストを実施したかったためです。「撮影代行サービスのMatterport Capture Servicesはとてもリーズナブルで、素晴らしい結果を得ることができました。とても価値のあるサービスです。このサービスのおかげで、高いレベルの仕上がりを素早く達成できたのは素晴らしいことです」とParker氏は言います。
没入感のあるバーチャルツアー
Parker氏はMatterportデジタルツインを使用して、訪問者が安全かつ便利に探索できるインタラクティブなバーチャルツアーを設計しました。参加者がPC、タブレット、電話、あるいはMatterportのVRモードでのOculus Questバーチャルリアリティヘッドセットのいずれを使っても、高解像度の素晴らしい映像を見ることができます。
訪問者は、施設のコラボレーションゾーンやクリエーションゾーンを見学できるほか、タッチゾーンの6台のテーブルと壁面の各種展示物に足を踏み入れることができます。ツアーでは、動画とスライドを取り入れて、医療科学、機能性素材、パターニングやプリンティングなどの展示の見どころをMattertags(付箋のように動画・テキスト・画像を挿入できる機能)で紹介しています。
3Dバーチャルツアーは、距離や物理的な人数制限のためにOpen Innovation Hubに直接来場できなかった大勢の方々に、富士フィルムの変革技術ポートフォリオを紹介しました。実際、Open Innovation Hubのデジタルツインの導入後、6カ月足らずの間に600人のユニークビジターが1,000回ツアーに参加しました。実際の来場数に比べて、半分の時期で6倍も人数が増えています。
「これだけの人数に直接対応するのは大変なことです。Matterportの機能を搭載したバーチャルツアーを活用して、数百人の見込み客とパートナー企業が弊社の技術ポートフォリオを見て回れるように支援しています。そのおかげで、物理的な壁を越えて顧客数を増やし、新しいビジネスを生み出すことができ、富士フィルムのブランド力が高まっています」とParker氏は言います。
時間や場所に関わらず、Open Innovation Hubツアーにセルフサービスでアクセスできる利便性により、富士フィルムの効率型4人体制チームの活躍の場が広がります。今では、主催者主導のツアーに追われることなく、他の事業開発活動の支援に時間を割くことができるようになりました。
そしてParker氏は3Dバーチャルツアーのコンテンツを増やし続けています。「Matterportの用途は住宅販売だけに限りません。常に新技術を開発して実現する弊社のような会社にとって、その可能性は無限大です」とParker氏は言います。
将来のビジネスチャンスにつながるコネクション作り
Matterport 3Dバーチャルツアーは、Open Innovation Hubチームにとって新しいビジネス関係を築く重要な手段にもなっています。ツアーの左上にはハブのスタッフの連絡先情報が表示されており、展示物に興味を持った訪問者のフォローアップの予約を取るというチームの目標をサポートしています。
Parker氏は自社サイトで3Dバーチャルツアーを大きく取り上げるだけでなく、ニュースレターとメール署名でも宣伝して社内の同僚からポジティブな口コミと関心も集めています。東京を拠点とするOpen Innovation Hubは、独自のMatterportデジタルツインの撮影に取り組み、展示物(他の拠点では見られない展示物もあり)を紹介するバーチャルツアーを制作しています。
さらに、富士フィルムのリーダーシップチームからは、北米の子会社と協力してデジタルツインが各事業部門にもたらしそうなメリットを探る仕事を依頼されました。「iPhone版Matterportは、概念実証を行ったり、MattertagsやNotesを活用したデジタルツイン内の協働や事業部門の効率性アップの方法を紹介することに役立っています」とParker氏は言います。「メリットが分かったら、Matterport Capture Services On-Demandに連絡して、よりプロフェッショナルで高精度なデジタルツインを入手するといいでしょう」
©2022 Matterport, Inc. All rights reserved. MatterportはMatterport, Inc.の登録商標であり、MatterportロゴはMatterport, Inc.の商標です。その他のすべてのマークはそれぞれの所有者に帰属します。
富士フィルムについて
富士フイルムは、イメージング、医療、高機能素材、光学デバイス、グラフィックシステム、記録メディア、工業製品の分野におけるグローバルなパイオニアです。米国カリフォルニア州サンタクララにあるOpen Innovation Hubは、世界に3つあるハブの1つで、コラボレーションや新しいビジネスイニシアチブを促進するために、顧客やパートナー企業が富士フィルムの技術的専門知識やコア技術を探求できるようになっています。
本社
日本・東京
業界
医療、イメージング、ドキュメントソリューション
課題
Open Innovation Hubのアクセス性を高めて、富士フィルムブランドと新しい事業開発をプロモーションする
製品
Matterport Capture Services On-Demand
モバイル版Matterportアプリon iOS
ソリューション
Matterportを活用したVirtual Innovation Hubツアーで没入型3D体験を創り出すことで、富士フィルムのパートナー企業、顧客、見込み客に自社の幅広い技術を伝える
成果
- バーチャルでのアクセス数は、物理的な訪問者数の6倍
- 従来Open Innovation Hubに訪問することのできなかった数千名が、オンラインを通じて訪問可能に
- 富士フイルムのOpen Innovation Hubチームが対応の幅を広げ、ビジネス開発活動を支援
https://matterport.com/ja/industries/case-studies/fushifuirumumatterportwodaorushitajieguoopen-innovation