ファッション業界は他の業界とはまったく異なります。デザイナーが夜遅くまで新作コレクションの仕上げにかかることが多々あり、一方で卸売バイヤーは世界のファッションの中心地にあるショールームを訪れるために急ぎ足でやって来ます。新しいバーチャルショールームテクノロジーはそもそも新型コロナウイルスの流行当初に採用されましたが、その価値が証明された結果、今でも利用されています。そのおかげで、デザイナーは新作コレクションをバイヤーの前に並べる仕事により多くの時間をかけながら、出張時間を減らすことでより大きな持続可能性をサポートしています。
イタリアのコンサルティング会社、GUS Technologiesは、さまざまな拡張現実とバーチャルリアリティのテクノロジーをいち早く導入しており、ファッションと高級ブランド向けの管理、販売、流通ソフトウェアでバイヤーと売手の両方にサービスを提供しています。その主力製品はB2B eコマースプラットフォームであるPortfolioです。このプラットフォームは、効率性と競争力を高めるために販売と管理の業務プロセスを変革、サポートするB2Cショッピング体験をベースにしています。
2020年、GUSはMatterportと提携して、Matterport 3Dデジタルツインを使ってバーチャルショールームへと事業を拡大しています。「パンデミックはファッション業界を直撃しました」とGUSのERPアプリケーションコンサルタント、Marcia Souza氏は言います。「ファッション業界はグローバルで、新しいファッションショーがシーズンごとに世界中で開催されています。ロックダウンと国境閉鎖によって、私達は最も革新的なステップを踏みながらも、新しい販路を作らざるをえなくなりました」
国境なきファッションウィーク、市販化への期間を短縮
新しい販路は、動画、写真、製品の詳細、購入ボタンを含むバーチャル3Dショールームです。そしてすべてはMatterportでスタートします。
顧客へのサービスの一環として、GUSはMatterport Pro2カメラを使って顧客のショールームを4K解像度で3D撮影し、それをインターネット接続のあるどのデバイスからでも閲覧、探索できる没入型デジタルツインへと変換します。次に、Mattertagsを各製品に追加することで、顧客がクリックしてサイズと色の在庫に加えて動画、写真、衣服の仕様を見られるようにします。GUSはMatterport APIとMatterport SDK開発ツールを使って、製品、販売、潜在顧客のデータを顧客の企業資源計画(ERP)システムと同期します。
Matterportバーチャルファッションショールームのバイヤーは室内と販売中の衣類を細部まで3Dで閲覧できます。また、バーチャルショールームで直接注文することができます」とSouza氏は言います。
バイヤーがバーチャルショールームを訪問している間、販売代理店がバイヤーとライブで話せるように、GUSはビデオチャットを統合しています。「バイヤーにとっては、デザインのことを詳しく知るいいチャンスになります。販売代理店はコレクション、色、デザイナーがそのシーズンに伝えたかった感覚のロジックを説明できます」とSouza氏は言います。
バーチャルショールームは、各新作コレクションの市販化までの期間も短縮します。バイヤーがアポイントを取ったり、現地に着くまで長距離を移動しなくて済むからです。「衣料品メーカーはPortfolioを使ってそのシーズンの新作コレクションを発表でき、アイテムは実質的に、発表の準備ができ次第入手可能です。そのプロセスは驚くほど速くて効率的です。ショールームは完全に没入型で、室内の見学は簡単な上、直感的に見て回れます」
別々のブランド名で3種類のアパレルコレクションを売り込んでいるイタリアのファッション会社、NYKYは、Matterportを活用する新しいショールームを試したGUSの最初の顧客です。GUSはMatterportを使って、NYKYの物理的なショールームを高解像度の3Dショールームにわずか3日間で変身させました。
このプロセスは初日、GUIスタッフメンバーがPro2カメラを使ってNYKYのショールームを撮影することから始まります。2日目、GUSチームはショールームのラックや棚の商品コードを識別します。3日目、チームは商品コードをPortfolioに取り込み、PortfolioをERPに接続します。さらに、Mattertagsをデジタルツインに配置します。Portfolioとのシステム統合のおかげで、Mattertagsは各ハンガーや棚と自動的に関連付けられます。
「NYKYは常に積極的に新しい技術を取り入れてきました。最近では、新型コロナウイルスのパンデミックがファッション業界にもたらした課題に直面するために、私達はPortfolioバーチャルショールームを使ってデジタルツインをレンダリングすることで、世界中のバイヤーに商品をすぐに提供できるようにしました。このバーチャルショールームはNYKYにとって競争上の強みとなり、売上を増やすことにつながりました」とNYKYのCEO、Alessandro Biasotto氏は言います。
注文のフォローアップを妨ぐ障壁を排除
ショールームのデジタルツインを設けることにはもう1つの利点、つまりタイムマシン効果があります。
ファッションウィークの間、バイヤーは1つの都市で10数カ所以上のショールームを予約することがあり、興味のあるアイテムのリストを作成します。選択肢をじっくり検討した後、注文をするために2回目の予約をしなければならないのはよくあることです。帰宅後、注文を変更するか、追加アイテムを購入したくても、コレクションは目の前にありません。
「多分何枚かの写真は撮っているのでしょうが、写真だけでは判断に必要なすべての情報は得られません」とSouza氏は言います。世界中のどの時間帯でも24時間利用できるバーチャルショールームがあれば状況を一変させられます」
いつまでも持続する革新的な販路
実際のショールームに行くことが難しいか不可能なときには、Matterportショールームを作ればいいと、GUSは新型コロナウイルスからインスピレーションを得ました。これらのショールームはパンデミックが終わった後も長く存続するでしょう。「お客様にとって基本的な付加価値となるのは、バーチャルショールームとeコマース用Portfolioソフトウェア、お客様独自のERPとの統合です」とSouza氏は言います。「これはいつか廃れてしまう流行ではありません。バイヤーと売手は、卸売の発注をする時期に世界中のショールームに出向かなくても、一緒に取引することができます。当社は、革新的、永続的で持続可能な販路を開発したのです」
GUSは20年以上にわたってファッション業界に携わってきました。その間、業界に関する知識だけでなく、業界内の顧客、顧客が求めているもの、顧客にとって重要なもの、顧客が最も喜ぶサービスについても豊富な知識を蓄積してきました。「当社はMatterportを始めたばかりですが、バイヤーも売手も、Matterportを活用したビジネスの加速化と簡素化を喜ぶはずです」とSouza氏は語ります。
GUS Technologiesは、MatterportのAPIとSDKを活用し、アプリや市場をリードするMatterportの空間データプラットフォームとの統合の構築と商品化を行うMatterportプラットフォームパートナーです。プラットフォームパートナーとして、Matterportの販売ネットワークや充実のサポート、共同マーケティングや共同販売プログラムへのアクセスなど、アプリケーションの収益化を支援する幅広い商業的メリットを享受しています。プラットフォームパートナープログラムの詳細と参加申請については、https://matterport.com/platform-partner-programをご覧ください。※米国本社担当のため全て英語となります。
GUS Technologiesについて
GUS Technologiesは、ファッションおよび高級ブランド向けに、販売、管理、流通のソフトウェアを設計しています。その主力製品であるPortfolioはB2B eコマースプラットフォームで、現在ではバーチャルリアリティと拡張現実、3Dデジタルショールームを備えています。
https://www.gussrl.it/en/https://www.gussrl.it/en/
本社
イタリア・ベニス
製品
Matterport Pro2 3Dカメラ、Matterport API、Matterport SDK
成果
- 3日以内に撮影・公開されるバーチャルショールームで市販化までの期間を加速化
- 販売代理店と購入者間のライブビデオチャットとデジタルツインの没入型詳細を組み合わせることで、対面式のショールームミーティングに代わる魅力的な選択肢を提供
- eコマースおよびERPシステムとの統合によって、購入者にとっては注文プロセスが、顧客にとっては社内ワークフローが効率化
- バーチャルショールームを24時間365日オンデマンドで利用できるため、コレクションを予約なしで年間を通じていつでも閲覧でき、再注文も可能
https://matterport.com/ja/industries/case-studies/gusjingjienakifuatsushiyonuikuwokaicui