社会の建築環境を向上
シカゴは世界で最も素晴らしい建築物の景観を誇る都市の1つであり、19世紀後半に建てられた最初の超高層ビル、モナドノックビルの本拠地でもあります。フランク・ロイド・ライト、ルイス・サリバンをはじめとする世界有数の無数の建築家たちが、世界的に認知された、風の街・シカゴの建築物にその足跡を残していることから、多くの新人建築家が訪れたいと憧れています。
建築・設計会社のPerkins&Willは、1935年創業の伝統ある企業です。今日では、25のスタジオで受賞歴を誇るチームが、アイデアを美しい物理空間に変えることで世界中の建築環境の向上に貢献しています。サステイナブルでレジリエントな設計と環境に配慮した健康的な暮らしの実現を目指し、約500件のプロジェクトでLEED、BREEAM、Passive House、SKA、Living Building Challengeなどの認証の厳格な基準を満たし、時に超える水準を達成しています。
加速するデジタル変革
同社のデジタル革命は、2020年のコロナ禍発生に伴い加速し、飛躍的に進展しました。新型コロナウイルス感染症の拡大で同社の世界各地のデザインスタジオが閉鎖となり、2,000人以上が在宅勤務に移行し、チームを現場に派遣することすらできなくなりました。こうした中、バーチャルに空間を訪れ、世界中に分散したチームメンバーで共有し、承認プロセスを進めるための新たな方法を見出すことが必要となりました。
「当社は世界のどこからでも空間を設計し、あらゆる場所でプレゼン可能であるソリューションをお客様から求められています。それを可能にしてくれたのが、Matterportでした」( Perkins&Will、デジタルプラクティス担当ディレクター、Nick Cameron氏)。
Matterportは没入型3D画像を空間データや測定データと合成することで、インターネットにつながっている世界中の誰もがそれらを探索できるようにします。スチール写真を使うカメラマンのチームよりも、1人の人間の方が現場に訪れて優れた画像をキャプチャすることができます。Perkins&Willはコロナウイルス問題が終息した後も、職場のフットプリントを減らし、プロセスを迅速化し、多くの情報に基づく意思決定に必要な情報を社内外の全員に提供するために、Matterportを使い続けるつもりです。
スピードと生産性の向上
Perkins&Willでは、内装にはMatterport Pro2カメラを、外装にはLeica BLK 360を使用しています。これらのカメラの導入で、単なる画像の撮影にとどまらず、巻尺が不要となるほどの精度であらゆるものを測定できるようになりました。
画像データと計測データを圧倒的なスピードで1つのパッケージにまとめることができます。iPhoneとMatterport Captureアプリで空間をスキャンしたこともあります。一見、ただ写真を撮っているように見えるため、次の日に空間の完全なスキャンをお客様に見せると本当に驚かれます」( Cameron氏)。
いつでもどこからでもスキャンにアクセスできることも極めて重要です。クリエイティブな人材の例に漏れず、設計士も最高のアイデアがいつ浮かぶか予見できません。職場から帰宅する途中、週末、真夜中に浮かぶこともあります。「スマートフォンでスペースを表示して、ざっと眺めたり測定したりできるのは素晴らしいことです」とCameron氏は言います。「生産性が上がっただけでなく、より優れたスペースの設計につながっています」
簡単になった最新化プロジェクト
2021年は、シカゴのリグレービルの竣工から100年目の節目となります。このビルは、シカゴ川と市内のマグニフィセントマイルが交差する場所に位置する歴史的な建造物で、世界で最初にライトアップされた超高層ビルのひとつです。現在のビルのオーナーがこの記念日を前にしてビルの外装照明の最新化を検討したいと考え、ノースタワーの最上階に入居しているPerkins&WillのシカゴスタジオとNiteoをプロジェクトに起用しました。
「お客様からは、歴史的な建物の特徴を変えずに、ビルの照明を強化する方法を検討して欲しいと依頼されました。そのためには、非常に複雑なテラコッタのデザインを詳細に把握する必要がありました。Matterportを使うことで、安全かつ迅速に建物の詳細なスキャンを作成することができました」(Cameron氏)。
Leica BLK 360でビル全体をスキャンしましたが、クレーンは使わず、地上や窓からすべてを撮影しました。ファイルのサイズはわずか150MBでしたが、ビルのファサードが精緻に、はっきりと確認できました。
最も難易度が高かったのは、魔法のような雰囲気を醸し出し、ビルの中や近隣で働く人々のまぶしさを軽減するよう、通りから照明器具がほぼ見えないようにする方法を考え出すことでした。Perkins&WillとNiteoは、Matterportスキャンで什器の位置と地上からの見え方をさまざまな距離からリモートで確認することができました。
写真クレジット : Niteo Lighting https://www.niteolighting.com/
「Matterportを使用すると、建物の物理的特性を正確に把握できます。Matterportが最初から正確にキャプチャしてくれるので、現場に戻って再測定する必要がなくなりました。自分たちが良い仕事をしていて、顧客に正しい設計手法を用いているということで自信が持てました」(Cameron氏)。
時空を超えてアクセスが可能
Matterportの活用で、同社は現場訪問の回数を3分の2まで減らすことに成功しました。特に長距離のプロジェクトには欠かせないツールです。最近では、最寄りのスタジオから何千キロも離れたアラスカでプロジェクトを完成させた例もありました。チーム全員を派遣すると費用がかさみますが、1人が現地からスキャナーを使って空間の内装をチーム全員に送信し、プロジェクトを完璧に遂行できました。
MatterportはPerkins&Willの顧客にも恩恵をもたらしています。Perkins&Willでは社員にハードドライブを支給する必要がなくなりました。スマートフォンやウェブのURLからスキャンを閲覧して、誰でも瞬時にアクセスできるからです。
「移動が難しいお客様でもMatterportを使えば空間を十分に体験することができます。ダラスのお客様のために5万平方フィートのオフィススペースをスキャンしてバーチャルでご紹介したこともありますが、画面上で見られる内容の質に圧倒されていました」(Cameron氏)。
また、Matterportスキャンは、空間の過去の記録も提供できるため、タイムカプセルのような役割も果たします。「配管や電線管にねじを通せば、以前そこに何があったかがわかるのです」とCameron氏は言います。「さらに重要なことに、オーナーにスキャンを共有してもらえるので、空間の再構築方法や必要な作業時間を再検討できます」
顧客について
Perkins&Willは「デザインには生活を変える力がある」という信念のもと、1935年に設立されたグローバルな建築設計事務所です。優秀なデザイン、多様性とインクルージョン、リサーチ、強靱性、社会的目的、持続可能性、福祉という中核的な価値を指針に、世界をより良く、より美しくデザインすることを目指しています。業界ランキングでは常に世界トップクラスの設計事務所に位置付けられています。世界各地の20以上のスタジオに2,000人以上の専門スタッフから成るグローバルチームを擁し、複数の大陸をまたがって評価の高いプロジェクトを展開しています。
本社
グローバル
業界
建築・設計
従業員数
2,000名超
課題
建築・設計プロジェクトの正確な3Dスキャンを作成して作業効率の向上、リモートでのコラボレーション、顧客との進捗状況の共有を図る。
製品
Matterport Pro2
Leica BLK 360
解決策
リモートでの分析、探索、共有が可能な画像、測定、空間データを合成することで、Matterportで没入感あふれる3Dデジタル空間を創出します。
成果
スピード、効率性、生産性が向上
実際の現場への訪問数を2/3削減
創造性の強化
https://matterport.com/ja/industries/case-studies/perkinswillmatterportnohuoyongterimotowakuwoxiaoluhua