SIMLAB、BIMとスマートビルディングのIoT技術をMatterportデジタルツインに統合

建設業者や不動産管理業者が物件の状況の変化を仔細に把握できるように

Customer results summary:

  • 建設プロジェクトにおける現場訪問の必要性を50%削減

  • 物件の経年変化をビジュアルで確実に記録

  • 施設や住宅内のIoTデバイスの一元管理を実現

  • 見やすい3Dビジュアルで監視とコラボレーションを簡素化

カリフォルニア州サンフランシスコに拠点を置くSIMLABは、設計・建設段階を通じた建築物のデジタル化に特化したテクノロジー企業として強固な基盤を築いています。建築、エンジニアリング、建設チーム向けのソフトウェアツールキットを開発し、プロジェクトの各段階におけるコミュニケーションの効率と効果を高めています。Matterport, Inc.™ のソフトウェア開発キット(SDK)やアプリケーションプログラミングインターフェイス(API),を使用して、Matterportのデジタルツインとビルディングインフォメーションモデリング(BIM)やスマートビルディングIoT技術を統合した住宅所有者向けの製品や機能を生み出しています。SIMLABのの最新のソリューションは、専門的なトレーニングを必要とせず、住宅所有者などの消費者が簡単に使用することができます。

次世代のビジュアル文書作成と建設コラボレーションでの提携

空間をMatterport Proシリーズカメラで撮影した後、Matterportプラットフォームはその画像を何十億もの3Dデータ点からなる、正確な寸法のデジタルツインに変換します。SIMLABは、SIMLAB STAGESソリューション内のデータを統合・拡張し、スライドタイムライン機能を使って物件の状態をビジュアルで記録した「物件情報コンテナやステージ」を作り出します。こうしたソリューションにより、建築プロジェクト管理関係者は建築設計段階のさまざまな重要時点の追跡と表示がしやすくなり、現場に出向かなくとも建設現場を視察することができます。

Marek Kozlak

「Matterportは、世界中の建設・建築物管理業界にデジタル化をもたらした、絶対的なゲームチェンジャーです。当社は、お客様の日々のニーズに合わせてデータのインタラクティブな機能と即応性を向上させる強力な基盤としてデジタルツインを使用しながら、Matterportプラットフォームパートナーとしてこの進化の次の段階で協働できることを楽しみにしています」(SIMLABのMarek Kozlak創業者兼CEO)。

日本の建築現場の進捗把握を効率化

MatterportがMatterportプラットフォームパートナーのSIMLABに出資したのは2021年のことですが、その提携の場はすでに世界に広がっており、共同プロジェクトの一つである東京の大規模病院の近代化では、毎月、各階のデジタルツインのキャプチャを行っています。STAGESを使ってデジタルツインをBIMやエンジニアリングデータと重ね合わせれば、病院の経営陣は現地に足を運ぶことなく改装前、改装中、改装後の特定の箇所を確認することができます。 

日本有数の建設資材専門企業である野原ホールディングス株式会社と住宅建設大手のミサワホーム株式会社は、最近のモデルハウス建設プロジェクトにSIMLAB STAGESとMatterportのデジタルツインを採用し、現場への移動時間を50%削減することに成功しました。

「SIMLAB STAGESは、建設現場の進捗状況を経時的に監視するうえで非常に有効なツールです」と野原ホールディングスのBIM建築マネージャー、Stephanie Bay氏は説明します。「ドキュメントを3Dで作成することで、ケーブルやスタッドなどを含めた重要なビジュアルが建設の早い段階で利用できるようになります。こうしたビジュアルは、壁の仕上げの後でも参照可能です。顧客であるミサワホームのニーズも満たせ、楽しいユーザーエクスペリエンスを提供します。」 

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野原ホールディングスでは、東京・大久保病院の内装工事の状況のキャプチャにもMatterportとSIMLAB STAGESを採用しました。Matterportのデジタルツインなら、壁、天井や床を仕上げる前の時点でダクトやパイプ、電線などの資産や資材情報のレプリカが確認できます。 

「デジタルツインから資産情報にアクセスできるため、病院経営が大幅に改善しました」野原ホールディングスのVDC事業開発グループ担当ディレクターの井上淳氏はそう証言します。「建設段階を通じてSIMLAB STAGESでMatterportのデジタルツインを閲覧した大久保病院の管理チームから、翌年に予定されている6階建部分の増築工事でもこのプラットフォームを使用してほしいとの要請を受けています。」

物件の変更のタイムラインを動的に作成

Matterportの3Dバーチャルウォークスルーは、プロジェクトオーナーがヘルメットを着用して現地を訪問することなく検査ができる手段として、既に人気を博していましたが、STAGESの併用でさまざまな関係者がタイムライン上でプロジェクトのあらゆる視点を比較し、フィードバックを共有し、課題やリクエストを追跡するプロセスがさらにスピーディに、効率的に変わりました。異なる時点からプロジェクトを確認する機能に加え、STAGESには以下の機能も搭載されています。

  • ブラシ: 3D空間にスケッチを描くだけでなく、修正を行ったり、提案を書いたり、空間内の家具やオブジェクトの配置を描いたり、建設作業時に修正する必要がある特徴やアイテムをマークしたりすることができます。

  • 問題管理システム - 音声や動画などを含むメモ、画像、写真や PDF を空間全体に配置していつでも閲覧でき、タスクの管理や監視が容易に。 

  • ドキュメントリポジトリ  - テキストメモ、視聴覚ファイル、オブジェクトの写真、手描きのメモやリンクを含む写真をすべて集約。

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その結果、変更を示す生きたタイムラインが出来上がり、プロジェクトオーナーは数日、数週間、あるいは数年後にこのタイムラインを確認することができます。デジタルツインは、プロジェクト全体の中間目標を記録するのに役立つだけでなく、日常的な管理でサイトオーナーを支援可能なリソースでもあります。 

SIMLABとMatterportは、設計やエンジニアリングに詳しくない住宅や用地の個人所有者が将来改築や増築ニーズが生じ、建築業者と協力する場合のために、このソリューションのバージョンの提供を開始しました。 

MatterportのデジタルツインとSIMLAB STAGESを使ったこうしたインタラクティブな文書作成プロセスは、建設やリノベーションの早い段階でスマートビルディング技術を組み込むうえでも役立ちます。デジタルツインを使った作業の中で、大型機器や空調システムの設置場所など、ビルオートメーション用センサーの設置場所をマークアップとして追加することができます。

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SIMLAB SIM-ONを使ったスマートビルディングの統合管理

MatterportとSIMLABの提供する深みのある情報は、建築以外の分野にも活用の余地があります。近年、一元化された直感的なインターフェイスを通じて照明、温度、家電、エンターテインメントシステム、セキュリティシステムなどをスマートビルディングオートメーション技術で遠隔監視・制御するデジタル資産管理・メンテナンススケジュール設定システムのメリットを理解する不動産物件所有者が増えていますが、各デバイスにつき独自のアプリを必要とすることが一般的で、全体像を把握するのは容易ではありません。 

SIMLABは、KNXをはじめとするホーム・ビルディングオートメーションの主要企業と協力して、SIM-ONソリューションを通じたスケーラブルな統合型のデバイス管理サブスクリプションサービスを開発しています。SIM-ONを使うことで、物件所有者は、空間をMatterportのデジタルツインとしてキャプチャし、IoTデバイスをその中に追加して、パソコン、タブレット、スマートフォンから年中無休でアクセスできるマルチメディアデジタルコマンドセンターを確立できます。このデジタルレプリカの中に施設の資産に関する情報を入れ込み、今後のメンテナンスの予定を設定することもできます。 

野原ホールディングスはSIMLABのソリューションを使って、日本の大手住宅建設会社の一社に住宅所有者向けのスマートダッシュボードを提供して、製品カタログ、保証書、メンテナンス関連情報などの住宅情報を3Dで可視化しました。「住宅所有者は、住宅のMatterportデジタルツインに重ねられたダッシュボードにアクセスするためのiPadを受け取ります」と井上氏は言います。「SIMLAB SIM-ONにより、オーナーは簡単に資産情報とコントロールにアクセスして、センサーや家電を1つのダッシュボードに接続するIoTデバイスを

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構成できます。日本の社会は世界でも有数の高齢化社会の1つであり、家庭内でスマートセンサーやデバイスを統合することで、ハイクォリティな生活を維持しながら自立を望む超高齢化社会に対応した安全な環境を強化することができます。」

ミサワホーム株式会社の磯貝匡志代表取締役社長は「当社では、SIMLABのSIM-ONを、360度から見渡した直感的なオペレーションを実現し、保守管理にも役立つ次世代ユーザーインターフェイスとして活用しています」と述べています。

ユニバーサルIoTコントロールでよりスマートなマンションを実現

ECHO Investmentはポーランド最大級の住宅デベロッパーで、IoT機器を標準装備した住宅を年間数千戸建設しています。同社のマンションには、住宅所有者が音声コマンドやモバイルアプリで操作できるスマートデバイスが設置されています。「建物とその周辺の共用部におけるEcho Life Servicesの一環として、

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SIMLAB SIM-ONで動作するスマートホーム型ソリューションを導入することにより、ひとつの直感的なインターフェイスで生活の快適さと住宅の効率を高め、ほぼすべての機器の管理を簡素化しています。」ECHO InvestmentのCSRおよびCSVマネージャーを務めるKazimierz Monkiewicz氏はこう述べています。

同社ではSIMLAB STAGESのタイムラインソリューションも利用しており、建設プロセスの重要なポイントでMatterportスキャンを撮影しています。これにより、恒久的なアーカイブを作成でき、将来のマンション所有者やリフォーム業者も各戸の目に見えない機械的・構造的側面を簡単に確認できるようになります。「SIM-ONとSTAGESは、空間の自動化とデジタル化の分野で最新のソリューションを提供することを通じて当社の競争力を高めるツールだと考えています」と同氏は述べています。

次世代のビルエンジニアリングとオートメーションの専門家を育成

EMT-Systemsは、ポーランドでビルオートメーション、製造装置やロボティクスに関する専門トレーニングセンターを運営しています。同社では、電子機器の電源を切ったり、空調システムの温度設定を変更するなど、IoTデバイスを総合的に管理してエネルギー消費を抑制する方法について、自社施設内でSIM-ONを使用してトレーニングを行っています。また、SIM-ONの役割と権限の機能を活用し、学生、教師、技術者や管理者に異なるレベルのアクセスを簡単に付与しています。  

「生徒のそれぞれが各機械に付属するメモを管理し、学習内容を確認することができる機能は、従来の教育ツールにはなかったもので、学びの定着度をまったく新しいレベルに引き上げてくれると考えています」とEMT-SystemsのCEOを務めるGrzegorz Wszołek氏は語っています。

FIBAROは欧州最大のインテリジェントIoTデバイスメーカーの一つで、イタリアに本拠を置くNice Groupのグループ企業です。同社はFIBARO製品の販売代理店やユーザーにSIM-ONを宣伝するため、SIMLABと提携しました。FIBAROのグローバルセールスマネージャーを務めるRafał Siemiński氏は「当社では、SIM-ONソリューションは世界の代理店や設置業者に提供するサービスの延長線上にあるものと考えています。当社の提供するソリューションの競争力を高め、協働する機器を多様化し、増加させることで顧客グループの拡大に寄与してくれるソリューションです」と述べています。

企業や不動産オーナーに遠隔監視能力と安心感を提供

米国のあるレストランオーナーは、会社の資産を保護し、事業継続性を確保するため、従業員に対してSIM-ONのトレーニングを行っています。カリフォルニア州ロスアンゼルス近隣のベーカリーカフェLou, the French on the Blockでは、煙感知器、セキュリティシステムや主要機器のセンサーの一元管理を実現しています。同社のオーナーは、SIM-ONの権限ベースのアクセス管理を活用して、トレーニングや日常業務の中で各従業員の役割に応じてシステムのさまざまな側面を適切に共有しています。 

「冷蔵庫のドアが一晩中開きっぱなしだと、数千ドルもの損失が出て、翌日にはお客様の注文に応じられなくなります」と、Lou, the French on the BlockのオーナーのLaurant “Lou” Correa氏は説明します。「SIMLABのSIM-ONアプリケーションは、当社の業務管理における3つの重要な分野、すなわちトレーニング、機器の管理・保守、重要システムの監視に対応してくれています。」

ポーランドのバケーションレンタルアパートメントのオーナーは、SIM-ONを利用して、ゲストに限定ログインを提供し、シンプルなインターフェイスで直感的に空間を案内できるようにしました。訪問者は、各所に配置された主要機能のアイコンにカーソルを合わせ、テレビ、暖房、WiFiシステムなどの使用方法や取扱説明書、予備の寝具やタオルなどの役立つ情報を確認することができます。 

このソリューションにより、オーナーのMaciej Iwanicki氏は、遠隔監視とゲストサービスの向上の両方を実現することができました。「アパートメントをスキャンし、SIM-ONに接続したIoTデバイスを装備することで、ゲストが到着する前に空調準備などを遠隔操作で管理できるようになりました。SIM-ONの導入で窓やドアの開けっ放し、煙や火事の感知などにもすぐに気付けるようになり、利用人数が賃貸契約で決めた定員を超える場合にも判断ができるようになりました。」

今後の展開

SIMLABでは、人工知能やビッグデータ分析、バーチャルステージングやeコマース機能との統合など、ソリューションの拡充を計画しています。同社では、Matterportと提携し、世界中の不動産オーナーや建設業者の進化するニーズに対応したデジタルイノベーションを提供できることを嬉しく思っています。 

「今日の意思決定者は、絶えずモバイルデバイスでインターネットに接続してきた世代です」とKozlak氏は語ります。

共通のビジョンとして、物件の設計、エンジニアリング、建設、管理をデジタルで変革する製品やサービスをつくりあげることを目指しています。MatterportとSIMLABの強みを組み合わせて、両社の顧客が場所や時間に縛られずに物件のライフサイクル全体を管理するのに必要となる堅牢なドキュメントと可視性を提供することが可能になっています。」  

SIMLABは、MatterportのAPIとSDKを活用し、アプリや市場をリードするMatterportの空間データプラットフォームとの統合の構築と商品化を行うMatterportプラットフォームパートナーです。プラットフォームパートナーとして、Matterportの販売ネットワークや充実のサポート、共同マーケティングや共同販売プログラムへのアクセスなど、アプリケーションの収益化を支援する幅広い商業的メリットを享受しています。プラットフォームパートナープログラムの詳細と参加申請については、https://matterport.com/platform-partner-programをご覧ください。※米国本社担当のため全て英語となります。

©2022 Matterport, Inc.All rights reserved.MatterportはMatterport, Inc.の登録商標であり、MatterportロゴはMatterport, Inc.の商標です。その他のすべてのマークはそれぞれの所有者に帰属します。

SIMLABについて

​​SIMLABは、主に設備のデジタル化、および住宅建築・AECO(建築、エンジニアリング、建設、オペレーション)業界用向けソフトウェアツールキットの開発に取り組むテクノロジー企業です。  

https://simlabinc.com/

本社カリフォルニア州サンフランシスコ 

製品 Matterport SDK、Matterport API

成果

  • 建設プロジェクトにおける現場訪問の必要性を50%削減

  • 物件の経年変化をビジュアルで確実に記録

  • 施設や住宅内のIoTデバイスの一元管理を実現

  • 見やすい3Dビジュアルで監視とコラボレーションを簡素化

​​

©2022 Matterport, Inc.All rights reserved.MatterportはMatterport, Inc.の登録商標であり、MatterportロゴはMatterport, Inc.の商標です。その他のすべてのマークはそれぞれの所有者に帰属します。

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  • 建設
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