阿蘇神社、熊本地震から7年を経て再建された国指定重要文化財の楼門をマーターポート技術でデジタルツイン化
空間を高精度かつ迅速にデジタルツイン撮影と制作が可能なMatterport Pro3カメラとデジタルツインAIクラウドで、期間限定で特別公開された再建直後の撮影を実現。歴史的瞬間を鮮明に再現可能にし、遠方の支援者への共有や、復興事業の記録、歴史的な建築物の修復事例としての貢献に期待
建築物のデジタルトランスフォーメーションを推進する空間データのリーディングカンパニーであるマーターポート株式会社(本社:東京都港区、執行役員 社長:蕭 敬和、以下Matterport)と熊本県阿蘇市の阿蘇神社は、2016年4月の熊本地震で倒壊し再建中の国指定重要文化財・楼門について、今年3月に主要な復旧工事が終了し、作業用の素屋根(すやね、覆屋のこと)の解体を前に期間限定で特別公開された際に、Matterportキャプチャーサービス(メーカーによる撮影代行サービス)およびPro3カメラを駆使して撮影・編集を行い、真新しく光り輝く銅板葺き(どうばんぶき)の屋根など、貴重な姿を鮮明に再現するデジタルツイン(※1)を構築しました。 (※1)物理空間(現実世界)に実在するものを、デジタル空間上で双子(ツイン)のようにリアルに再現し、モニタリングやシミュレーションを可能にしたもの。 阿蘇神社 楼門 デジタルツイン公開ページ https://my.matterport.com/show/?m=4VhoWwwrJGa&help=1 阿蘇神社 屋外 デジタルツイン公開ページ https://my.matterport.com/show/?m=4SUtXpz7GWk&help=1
素屋根内部、再建直後の楼門のドールハウス立体像
倒壊した際の楼門
●最新技術で「二度とない姿」を捉え、遠方の支援者様への報告や施工管理での活用にも期待 阿蘇神社は2000年以上の歴史を持つ古社で、「日本三大楼門」の一つとされる阿蘇神社楼門など6棟が国重要文化財に指定され、地域はもとより広く崇敬されてきました。2016年の熊本地震で、境内の社殿(神社内の建物)のほぼすべてが倒壊する未曽有の被害を受け、公的補助と地域・全国から寄せられた部材や支援金により復旧工事が進められ、楼門以外の国重要文化財5棟を含む建物が復旧を完了しており、楼門も2023年12月の復旧完了を目指しています。 復興に懸命に取り組む中、阿蘇神社は公式ホームページで工事の詳細なレポートを定期的に公開するなど、支援者様への報告や、神社として甚大な自然災害を乗り越えていく過程の記録と発信に努めてきました。その阿蘇神社で今回公開に至ったMatterportによるデジタルツインの特徴、および今後の運用面で期待されることは次の通りです。 1.最新技術を結集したコンパクトな機材で「歴史的瞬間」の細部から全体像までを再現可能に 期間限定の特別公開でしか見られない姿を遠方の支援者様にも共有 阿蘇神社では素屋根が解体される前の3月5日から12日の間、楼門の特別公開が開催され、撮影は終了直後の3月13日に素屋根を利用し実施しました。撮影に使用した「Matterport Pro3」は、LiDARとRGBセンサーを搭載し、1台で空間の写真と距離データを取得できる専用カメラで、作業用の足場の移動も含む撮影にも対応し、約2時間で楼門全体の撮影を完了しました。コンパクトな機材で迅速に高精度なキャプチャーサービス(※2)を提供するMatterportの独自技術により、特別公開に参加できなかった支援者様にも修復直後の姿をリアルにご覧いただくことを可能にしました。 歴史的な復旧事業の節目の瞬間を手に取るように後世に継承 デジタルツインは、解体前の素屋根の内部や銅板葺きを終えたばかりの光り輝く屋根が含まれ、PCやスマートフォン上で、楼門全体を立体的に俯瞰することや、足場を実際に歩くように動き回り、気になるところがあれば近づいて間近に見ることなどが可能です。歴史的な工事の節目の姿を、後世まで鮮やかに伝えることが期待される内容です。
Pro3カメラ(手前)と完成直後の銅板葺きの屋根
輝く屋根や素屋根の内部を手に取るように見られるデジタルツイン画像
(※2)Matterportキャプチャーサービス:時間と労力がかかる、広大な建物や空間、遠方や海外の現場や施設の撮影は、Matteportにアウトソーシング(委託)いただくことが可能です。メーカーのノウハウとサポート体制で、高品質な撮影結果を迅速かつリーズナブルな価格でご提供できます。高額請求や不要な請求(月額管理費、都度の制作費)が無く、安心してご利用いただくことができます。 2.高い精度と操作の簡便性で施工記録やコミュニケーションにおける活用にも期待
倒壊した楼門の建立は江戸時代に遡り、図面等の記録が存在せず、復旧工事は残された部材や倒壊前の写真等をもとに手探りで進められました。今回のMatterportとの取り組みでは、細部の確認が可能なデジタルツインに加えLiDARで点群データも取得しているため、施工記録の高精度なデジタルデータとして、今後のメンテナンスや他の建造物の工事等への応用が期待されます。 また、デジタルツイン上で「測定モード」等を活用すれば、簡単に施設や設備が計測できます。ハイスペックな機材や専門知識は不要で、直感的に操作可能な簡便性を実現しています。阿蘇神社側で、メモや動画などの追加・アップデート等を行うこともでき、支援者様や施工業者等とのコミュニケーションに活用いただくことも可能です。 今回は、楼門と同日に阿蘇神社の社殿を屋外から撮影したデジタルツインも公開しました。熊本地震で楼門同様に倒壊し既に復旧を終えた拝殿、ボランティアスタッフにより制作された拝殿再建までを記録したビデオ、楼門の素屋根の外観なども含め、着実に復興に向かう阿蘇神社の姿をご覧いただくことができます。 阿蘇神社では本年7月28日(金)に、コロナ禍で中止していた最大規模の年中行事の1つである「御田植神幸式(おたうえしんこうしき)」が4年ぶりに開催される予定で、この際に楼門の素屋根の撤去が完了し、修理を終えた楼門を実際にご覧いただけるようになります。 ●阿蘇神社 権禰宜(ごんねぎ)池浦 秀隆 様のコメント 阿蘇地域をはじめ多くの皆様にご協力をいただき復興事業を進める中で、阿蘇神社の存在の大きさを改めて感じ、支援者様に復興の歩みを細やかに伝え、心の安泰にも繋がるような報告方法を探していました。Matterportの圧倒的な臨場感を見て、最適なコミュニケーションツールになると思い撮影をお願いしました。特別公開にお越しになれなかった皆様にも、同じ姿をお届けできることを嬉しく思います。大きな自然災害を乗り越えた神社として、今回のデジタルツインを復興の記録や事例共有に活かすとともに、コロナ禍も重なり参拝や神事の継続が危ぶまれた経験も踏まえ、来訪が難しい方々とのコミュニケーションにも活用するなど、最新技術も柔軟に取り入れた、今後の新しい神社の在り方を考える契機にしたいと思います。 ●マーターポート株式会社 執行役員 社長 蕭 敬和(しょう けいわ)のコメント 阿蘇神社様の復興を象徴するといえる楼門の復活の瞬間に、シンプルな機材で迅速に空間をキャプチャーできるMatterportの特長を活かし、デジタルツイン構築に協力させていただけたことを光栄に思います。支援者様への報告や、甚大な自然災害を乗り越えた神社としての事例共有、さらには物理的な参拝が難しい状況下でMatterportをご活用いただくことで、予測不能な自然災害が頻発する現代において、デジタルの力で、復興支援や、神社など有形無形の価値を有する施設や建造物が、新しい在り方を追求していくためのお手伝いができれば幸いです。 「デジタルツインで結ぶ、文化と未来」 Matterportは文化遺産の情報化を目指し、2023年6月より「デジタルツインで結ぶ、文化と未来」プロジェクトを開始しました。このプロジェクトは、日本の文化財や歴史的建造物をデジタル化し広く人々に共有するための取り組みです。今回の「阿蘇神社 楼門」もこの一環で実施したものです。 デジタルツイン化は数多くの利点をもたらします。価値ある建造物の現在の姿を長期にわたって保存することを可能とし、老朽化で立ち入れなくなった建物も、デジタル化によって誰でも安全に内部を探索することを可能にします。また、自然災害等からの復興を詳細に記録し、後世にその過程を伝えることも可能となります。 さらにデジタル化により世界中から文化遺産へのアクセスを可能とし、その歴史や価値を広く伝えることができます。その結果、日本の豊かな文化遺産が国内外に情報として共有されることになります。 「デジタルツインで結ぶ、文化と未来」デジタルツイン公開ページ> ※公開順、敬称等略 天山酒造(佐賀県) https://my.matterport.com/show/?m=HHEbXmswFk3&help=1 高野山 壇上伽藍(和歌山県) https://my.matterport.com/show/?m=Bj1JQrvbBKo&help=1 Matterportは今後も、日本の文化財・価値ある建造物等のデジタル化を進めて参ります。日本の文化財・歴史的建造物・名勝地、および文化遺産情報化に携わる自治体様、団体様からのご相談をお待ちしております。 Matterportのテクノロジーは現在、主に不動産業・建築業・製造業・小売業・アパレル業・公共・大学で重用されており、不動産物件・モデルルームのオンライン内覧や、遠隔地を含む建設中物件の施工進捗管理、工場・プラントの施設管理、マーチャンダイジング管理や店舗教育、工場見学やキャンパス紹介などにも活用されています。日本国内では比叡山延暦寺、海外ではエジプトの遺跡などのデジタルツインの作成に用いられています。 Matterport(マーターポート)について Matterportは、建築世界のデジタルトランスフォーメーションをリードしています。当社の画期的な空間データプラットフォームは、建物をデータ化し、空間の価値とアクセス性を高めます。177カ国以上の何百万もの建物が、Matterportのデジタルツインとして生まれ変わり、計画、建設、運用から、文書化、鑑定、マーケティングまで、建物のライフサイクルのあらゆる部分を改善しています。詳細はhttps://matterport.com/jaでご覧いただけます。また、デジタルツインのギャラリー https://matterport.com/discoverもご覧いただけます。 マーターポート株式会社は米Matterport, Inc.の日本法人です。 (C)2023 Matterport, Inc. All rights reserved. Matterportは登録商標であり、MatterportのロゴはMatterport, Inc.の商標です。その他の商標はすべて、それぞれの所有者に帰属します。 <将来の見通しに関する記述> 本資料には、連邦証券法に規定される将来の見通しに関する記述が含まれています。これには、本経営統合の利点、Matterport, Inc. (以下「Matterport」)が提供するサービスおよびMatterportが事業を展開する市場、事業戦略、負債水準、業界環境、潜在的な成長機会、規制の影響およびMatterportの将来予測に関する記述を含みます。これらの将来見通しに関する記述は一般に、「確信する」、「推定する」、「期待する」、「予想する」、「見積もる」、「意図する」、「戦略」、「将来」、「予測」、「機会」、「計画」、「可能性がある」、「はずである」、「だろう」、「である」、「継続する」、「結果的にそうなるであろう」などの表現(これらの言葉や表現の否定形を含む)で識別されます。 将来の見通しに関する記述は、現在の期待や仮定に基づく将来の出来事に関する予測、予想、その他の記述であり、その結果、リスクや不確実な要因を伴います。この将来の見通しに関する記述に記載される実際の業績に影響を与えうる重要な要素には、Matterportが競合する業界において、事業計画、予測、その他の期待を実現する能力、ならびに追加的な機会を特定し実現する能力などが含まれます。上述の要因はすべてを網羅するものではありません。前述の要因およびMatterportが米国証券取引委員会(SEC)に適宜提出する書類に記載されているその他のリスクや不確実性を慎重に検討する必要があります。これらの報告書には、将来の見通しに関する記述とは大きく異なる実際の出来事や結果を引き起こす可能性のある、その他の重要なリスクや不確実な要因が記載されています。将来の見通しに関する記述は、その記述がなされた日付時点でのものです。読者の皆様におかれましては、将来の見通しに関する記述を過度に依拠することないようご注意ください。Matterportは、新しい情報、将来の出来事、その他の結果にかかわらず、これらの将来の見通しに関する記述を更新または修正する義務を負うものではなく、また、法律で義務付けられている場合を除き、その意図もありませんことをご留意ください。Matterportは、その期待を達成することを保証するものではありません。