Property Intelligence(建築物のデータから導き出す示唆)の原則と可能性を実現する技術
あらゆる建物の価値を高める貴重なビジネスインサイトの解明
Property Intelligence(建築物のデータから導き出す示唆)は、Matterportのお客様が空間から強力なインサイトを導き出し、その情報を使って時間とコストの両方を節約できるようにする画期的な技術です。世界中でこれまでに作られたデータの90%以上が、過去2年間に作られたものです1。しかし、膨大な量のデータが作成されているにもかかわらず、95%以上が使用されておらず2、プロジェクトの手戻りの半分以上は、データ管理やコミュニケーションの不備3が原因となっています。Property Intelligenceの導入によって、何度も現場に足を運ぶ必要性がなくなり、これまでは長時間作業、もしくは手作業だったワークフローが自動化されるため、Matterportのお客様は世界のあらゆる場所からより良い意思決定をより迅速に行えるようになります。また、時間とコストの節約だけでなく、地球環境にも配慮しています。出張の必要性を減らすことで、Matterportデジタルツインは、お客様のサステナビリティへの取り組みに多大な支援を提供できる可能性があります。
推論、精度、信頼性
Matterportは、MatterportのCortexAIがデジタルツインの空間から推論できる高価値のセマンティックデータを用いたデジタルツインを強化する機能を追加します。Matterportは慎重に開発された一連の原則に基づき、このセマンティックデータの開発および製品化に精密なプロセスを導入しています。
例えば、MatterportのCortexAIでは、空間をスキャンする際に写り込んでしまった人の顔を検出し、ぼかし処理を施すことができます。これは、人物や家に飾られている写真に写る人の顔を検出するよう訓練されたニューラルネットワークによって行われます。キャプチャした写真画像からの顔の検出という事象は、それぞれが1つの推論となります。Matterportは、慎重な特徴付けによって顔検出の精度を実現し、顔検出における精度と再現率の両方に関する品質基準を確実に満たしています。さらに、顔の検出の各推論に対して、その検出に関連する信頼度スコアが提供され、検出された顔同士の相対的信頼度に対するさらなるコンテキストを提供します。
Matterportは、いずれすべての推論の精度を最大化することを目指していますが、推論は不完全なものであることを認めなければなりません。したがって、次に言及する原則は「編集機能」です。
可視化、編集機能、取り組み
重要な空間データについては、可視化が理解を促し、モデル所有者が空間データを編集してパーソナライズできることが重要であるとMatterportは考えます。Matterportが製品を長期的に改善するために役立つのは、この空間データへの取り組みです。スキャンされた空間から顔検出する例について、もう一度考えてみましょう。Matterportが空間で検出された顔を可視化し、モデル所有者が個別または一括で確認できるようにすることが重要です。場合によっては、美術品から検出された顔はぼかすべきでない場合や、顔が検出されなかった場合は、ぼかすようマークすることもできます。このように、推論結果をキュレーションできることで、モデル所有者はこのデータを使って、選んだ通りに微調整し、キュレーションした一連のぼかしを公開しモデル資産に反映させることができます。編集機能はユーザーエクスペリエンスを向上させ、カスタマーサービスへの取り組みを合理化し、Matterportがさらに製品をどのように改善できるのかを理解するのに役立ちます。
原則の汎用化
これらの原則は、顔検出だけでなく、2023年にリリースを予定している開発中の新しいインサイトにかなり広く適用されています。ベッドルームの数や寸法、キッチンのサイズ、配管や空調設備の位置の認識、あるいは単にぼかすべき顔の特定など、これらの原則はベストプラクティスの指針なのです。これらの強力なインサイトは、モデルの所有者や訪問者がMatterport空間を深く理解するのに役立ち、より良い意思決定をより迅速に、どこからでも行うことができるようにしてくれます。
今年の後半には、Matterportのお客様は、スキャンポートフォリオ内でデジタルツインから抽出したデータを用いた個別のレポートを見られるようになります。また、住宅の価値と売却スピードを高める属性(部屋のサイズや境界線、部屋のタイプ、または家電製品などの一般的な家庭用品の検出など)を初めてわずか数クリックで定量化できるようにしました。以前は、このような情報は、実際に足を運んで手作業で測定し、その地域の類似の不動産取引を詳細に分析(「比較販売」とも呼ばれる)することでしか得られませんでした。
Matterportは、デジタルツインを豊富なプロパティデータにつなぐことで、デジタルツインのポートフォリオに基づく、これまでに例のない属性の可視化をお客様に提供することを目指します。MatterportはProperty Intelligenceポートフォリオを拡張し続けるため、デジタルツインからのインサイトを利用して物件リストの最適化や、価値を高める可能性が最も高いリノベーションを計画できるようになります。同様に、お客様のMLSデータの入力に必要な何時間もの手作業の削減、保険の見積もりの作成、物件比較の作成などを支援したいと考えています。
これ以上のことが可能なのは、Matterportが10年以上に渡り3Dキャプチャテクノロジーとインサイトにおけるリーダーであり続けているからです。類似のサービスでは物件分析に2Dを使用することがありますが、MatterportのAIエンジンでは、世界中から集めた約5億枚以上の3Dスキャンを活用しています。また、Matterportのスキャンはそれぞれマルチパスで行っています。つまり、さまざまな角度から詳細をキャプチャし、ユーザー独自のビジネスニーズに合わせてデータやインサイトを追加できるように柔軟性をより高めて提供しています。
Property Intelligenceは空間から集約されたインサイトにアクセスし、分析し、実行するための完全に自動化された方法であり、お客様は世界中のどこからでも、空間上で比較や連携することができます。業界をリードするデジタルツインプラットフォームの一部としてProperty Intelligenceを提供することは、業界にとって重要なマイルストーンであり、Matterportだけが提供できる機能です。現在、一部のお客様を対象にProperty Intelligenceの試験運用を行っており、2023年の後半に一般提供を開始する予定です。詳細や試験運用プログラムの参加にご興味のあるお客様はこちらまでご連絡ださい:[email protected].
1出典:Mandy Mock - Vice President and GM of Desktop, Workstation and Channel Group at Intel Corporation - Autodesk University 2021 2FMI 3Autodesk